【ニューヨーク=杉藤貴浩】米南部フロリダ州マイアミ近郊サーフサイドの12階建てマンション崩落は、28日未明時点で9人の死亡が確認された。行方不明者はなお150人以上で家族らの祈りが続く。崩落の原因は不明だが、3年前にマンション構造上の重大な損傷が指摘されていたことも明らかになった。
現場では27日も不明者の捜索が続いたが、大量のがれきの各所で発火が相次ぐなど活動は難航した。
米メディアによると、9人の死者のうち8人の身元が判明。最初の1人ステーシー・ファングさん(54)は、息子のジョナ・ハンドラー君(15)ががれきの中から奇跡的に救いだされたが、再会はかなわなかった。
ファングさんは小売コンサルタント会社の幹部だったという。家族は「最愛のステーシーを失った悲劇に言葉が見つからない」との声明を出した。
不明者の捜索が進まないことに家族や関係者の焦りは頂点に達している。親族や知人5人が崩落に巻き込まれたマイク・シルバーさん(33)は25日、現場近くで本紙の取材に「がれきは大量で捜索の人員が足りないように見える。軍の工兵隊のような専門組織を投入してほしい」と訴えた。
一方、崩落したマンションについて、建築コンサルタント会社が2018年10月に出した報告書で「重大な構造上の損傷」があると指摘していた。
報告書では、プールデッキの床板の防水に問題があり、「近いうちに補修しない場合、コンクリートが急速に劣化する」と懸念を示していた。現時点で崩落との関連は不明だが、地元自治体が事態を重視し、報告書を公開した。駐車場のコンクリート製の柱にひび割れや剝離もあったという。
このほか、近隣の建物工事の影響やマンションが1990年代に少しずつ沈下していたと伝える報道もある。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、崩落が地下駐車場で最初に発生し、上階への「構造的ななだれ」を引き起こしたとする専門家の見解を伝えた。
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米フロリダのマンション崩落 3年前に「重大な構造上の損傷」指摘【動画】:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞
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