被災して1年後に仮設プレハブ店舗で再開した「理容室ニュー清水」が4年前に高台に移転した。現在は長女の友美さんがカットなどで店の中心的存在だが、康雄さんはパンチパーマなどを担当。持ち前の技量で鳴らし、依頼も多い。妻のセツ子さんは現在94歳の康雄さんの母親の世話で忙しい毎日を送っている。
これまでの妻との二人三脚に長女も交えた、「三人四脚」で切り盛り。以前の店舗へ足を運んでいた常連や、震災後に清水さんの人柄に惹かれて来店した人々が今でも通ってくる。現在の店舗からは大船渡湾が一望できるなど眺望は最高。多くの仲間たちに囲まれながら楽しく暮らす。孫たちもぐんぐん成長。取材した8年前には小学3年・1年生だったが、今では高校1年、中学2年に。中学生の長男は180cmを超え、「すごいおっきいんだよ」と誇らしげに笑う。
「個人的にはあっという間の10年」と振り返り、「心の復興といっても(震災前の)昔のように戻ることはないね」。次の10年に向けては、「とにかく備え。心の備え、物資の備え。それを常々怠らないようにすることが大事」とし、万全を期しながら、さらに20年先の安心の生活につなげていく考えだ。
それでもやはり、康雄さんは前へ、前へと向かう。
以前構えていた店舗のヨーロッパ調の佇まいを懐かしく思いながら、もう一度店を建て直した暁にはそうした風情を残しながら「昼はバーバー(理容室)、夜はバー(Bar)なんていいね」と笑顔。最後は「夢はでっかく、前を見て歩むのみ」と力強く言い切る。
結局はいつも皆、康雄さんに励まされている。
「夢はでっかく、前向いて」 清水康雄さん(72) 大船渡町在住 | さがみはら中央区 | タウンニュース - タウンニュース
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