新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、東京都は27日、若年層限定のワクチン集団接種をスタートさせた。予約不要の手軽さもあり、同日未明から希望者が殺到。予定の4時間以上前に受け付けが締め切られ、職員らは説明に追われた。都は運営方法の見直しを迫られたものの、接種枠を拡大しながら、感染者の半数を占める10~30代への接種を加速させる。
本日、ワクチン予約の受け付けは終了しています-。午前9時半ごろ、16~39歳を対象にした都の「若者ワクチン接種センター」が設けられた区立勤労福祉会館(渋谷区)前で、担当職員は声を張り上げた。
本来は同11時50分に受け付けを始め、正午から運用する予定だったが、午前4時時点で約15人が待機。1日200人程度の接種枠に対し、同7時半ごろには約300人が並び長蛇の列となったため、都は整理券を配布して受け付けを終了した。
江戸川区の会社員、滝沢凌也(りょうや)さん(23)は午前3時ごろ列に並んだ。正午過ぎに接種を終えて会場を後にし、「地元の自治体で予約が取れず、このセンターに懸けていたので、確実に打てそうな時間に来た。無事に打つことができて安心した」と話した。
3週間前に接種券が届いたという千葉県柏市の男性会社員(28)は午前7時ごろに会場に到着、ぎりぎりで整理券を手にした。「勤務先のある都内で接種できたのは、すごくありがたい」と感謝した。
一方、午前10時すぎに訪れ、受け付け終了を聞かされた杉並区の会社員、片岡絵里香さん(37)は「せっかく仕事を休んできたのに…。予約しないで打てると聞いてきたのに、早くから並んでいる人たちに券を配って終わりなんてひどい」と不満を漏らした。
都は混雑状況次第で前倒しする可能性を事前に予告していたが、間に合わなかった人の一部が職員に詰め寄るなど混乱はしばらく続いた。都福祉保健局の担当者は「若年層もある程度接種が進み、午前中の動きは鈍いと考えていた。ここまでの列になるのは想定できなかった」と釈明した。
都が若年層へのワクチン接種を急ぐのは、感染拡大防止の課題が高齢者から若年層に移ったことにある。27日に報告された都内の新規感染者4227人のうち、10~30代は2420人と半数を超える。ただ、各自治体ではワクチンの供給不足などで予約が困難となっている。
江戸川区のスポーツクラブコーチの女性(24)は「早く接種したいが、地元ではすぐに予約ができない。周りの人も打ちたいのに打てない状況」と打ち明ける。
一方で副反応への懸念などから、接種に後ろ向きな若年層も少なくない。
渋谷区の高校2年の女子生徒(17)は「感染より副反応のほうが怖い。周りの友人も打っていないし、自分は消毒をしっかりしているので、今のところワクチンを打つ予定はない」と話した。(内田優作、浅上あゆみ)
若者ワクチン接種スタート 希望者殺到、4時間前に締め切りで混乱 - 産経ニュース
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