ろう者ら協力、市HPで公開
加賀市はご当地スイーツの「加賀パフェ」など、市独自の言葉を表現するための手話「Kaga Signs(カガサインズ)」をつくり、市ホームページ(HP)で公開している。ろう者同士の会話はもちろん、ろう者とコミュニケーションを取るためのきっかけとしても普及を目指している。 (小室亜希子)
「加賀パフェ」の手話は右手で「か・が」と示した後、左手でつくった器に右手で具を三回のせるしぐさをし、さらにソフトクリームが立ち上がるように表現する。大聖寺藩主の休息所「長流亭」は「長い」と「流れる」の手話の後、両手で屋根の形をつくる。「北前船」は「北」の後、両手で帆船の形をつくって前に動かす。
このほか観光路線バス「キャンバス」や九谷焼美術館、山ノ下寺院群、乗り合いタクシーなど、これまでに八つの手話単語をつくり、動画で公開した。近く「大聖寺」「山代温泉」など地名も追加する。手話単語はあいうえお順で検索でき、今後も充実させていく。
市は二〇一七年四月に市手話言語条例を県内で初めて施行し、手話への理解を広げる活動に取り組んでいる。市独自の手話単語は、ろう者と健聴者がさまざまな場面で意思疎通しやすいようにと、昨年度からつくり始めた。当事者と手話サークルのメンバーらが言葉の背景を学びながら、一緒に手話を考えている。
身近にろう者がいない人でも、例えば病院の待合室でアナウンスが聞こえずに困っているろう者に出会う場合もある。簡単な手話が一つでもできれば、コミュニケーションのきっかけになる可能性がある。
市職員で手話通訳士の岩崎和江さんは「外国で『こんにちは』と日本語であいさつされるとうれしいように、手話も同じ。観光の現場では多言語対応の一つという認識で、手話を知ってもらえたら」と期待する。
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