久永隆一
厚生労働省は27日、全国の児童相談所(児相)が2020年度に相談対応した18歳未満の子どもへの児童虐待が過去最多の20万5029件だったと発表した。前年度より5・8%(1万1249件)多く、調査を始めた1990年度から30年連続で増えた。
相談の経路は「警察等」が50・5%と最も多い。通報で駆けつけた警察官が、夫婦間の暴力が子どもの前で行われる「面前DV」と判断して児相に連絡するケースが目立つといい、全体の件数が伸び続ける主な要因になっている。次いで「近隣・知人」の13・5%、「家族・親戚」の8・2%が続いた。
虐待のタイプ別では「心理的虐待」が12万1325件(59・2%)で最も多かった。「身体的虐待」が5万33件(24・4%)で続き、「ネグレクト」(育児放棄)が3万1420件(15・3%)だった。
新型コロナウイルスの感染拡大による自粛の影響で、親と子どもが自宅で過ごす時間が長くなり、児童虐待の増加を懸念する声もあったが、前年度比の伸び率は18年度(19・5%増)、19年度(21・2%)を下回った。また、20年度の月別の件数では、最初の緊急事態宣言が出た4月が前年同月より13%増えた一方、宣言が解除されていた6月も前年水準を17%上回った。厚労省は「感染状況との関連性はみられない」(担当者)と分析している。(久永隆一)
児童虐待、過去最多の20万件 前年度より5.8%増 - 朝日新聞デジタル
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