全国の「市役所前」バス停を調べている川崎市川崎区の飯島正之さん(37)が、東日本で唯一残していた新潟県佐渡市を調査し、東日本357市を踏破した。14年2カ月がかりの調査で、東日本では約28%に当たる102市に「市役所前」バス停があったという。(安藤恭子)
飯島さんは「日本で一番多いバス停は『市役所前』ではないか」と思い立ち、家業の金物店や消防団活動の合間を縫って、二〇〇七年から全国のバス停を訪ね歩いて検証を続けている。
飯島さんのルールでは「××市役所前」や、他の大規模施設が併記される「県庁・市役所前」はNG。これら類似名のバス停に阻まれつつ、西日本を含めると百七十五市の「市役所前」バス停を確認。バス停と共に自撮りをし、プロジェクトのブログに載せてきた。
コロナ禍で調査が難しくなる中、新潟出張の機会があった六月に佐渡市への訪問を決意。フェリーとバスを乗り継ぎ、市役所に最も近いバス停は「佐渡病院」と確認した。ネットの情報で予想はしていたが「やっぱり『市役所前』はなかった」とうなだれた。
プロジェクトを続ける理由について「ひらめいてしまったから。検証しなければいけないと思ったから」と語る。バス会社のホームページと実際のバス停の表記は異なることがあり、現場にこだわる。
全国には七百九十二の市があり、これまで北海道から九州まで五百八十八市を踏破。年内にも東日本の「市役所前」バス停を冊子にまとめ、残る西日本の踏破を目指す。「本町」や「役場前」のバス停も多く、日本最多の検証に終わりは見通せないというが、「コロナが落ち着くのを待って、ゆっくりこつこつ『市役所前』を巡ります」と宣言した。
疑問に思ったらとことん調べる飯島さんの姿勢を育んだ、自由の森学園高校(埼玉県)の菅間正道校長(53)は「このプロジェクトは『調べ学習の寅(とら)さん』。この先、探求に足る何かがあるんじゃないかと続ける姿勢はいかにも彼らしい。コロナでぎすぎすした時代に、自分なりの楽しみを見いだしている」と評価した。
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BUS市役所前探し 東日本を踏破! 川崎区の飯島さん 14年かけ 357市目 新潟県佐渡市を調査 年内にも冊子にまとめ 西日本へ - 東京新聞
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