かんぽ生命保険の不適切販売問題を報道した2018年4月のNHK番組を巡り、NHK経営委員会が上田良一会長(当時)を厳重注意した同年10月の会議について、NHKは8日、読売新聞の情報公開請求に応じ、議論の詳細が分かる記録文書を初めて開示した。注意の根拠となった個別番組に対する抗議への対応を巡って、上田会長が一部委員と激しい応酬を繰り広げていたことが明らかになった。
厳重注意のきっかけは、番組に抗議した日本郵政グループに対し、対応したNHKの担当者が「番組制作について会長は関与していない」と発言したこと。郵政側は18年10月、この対応についてガバナンス(統治)が利いていないと、経営委に抗議文を送付した。
開示された文書では、監査委員が、ガバナンス上の問題はなかったと説明したが、石原進委員長(当時)が「明らかに部下に対するガバナンスができていない」などと指摘。また、放送法では、個別の放送番組の編集について経営委員の干渉を禁じているが、森下俊三・委員長職務代行者(現委員長)が「取材も含めて、極めて稚拙」「(郵政側が)納得していないのは取材の内容」などと繰り返し言及。上田会長が「個別番組に絡むような形でのガバナンスということになりますと、対応が非常に難しくなってくる」などと懸念を示した。
経営委は、非公開を前提とした意見交換だったとして、関連部分の議事録を非開示としてきた。情報公開を扱うNHKの第三者機関が、昨年5月と今年2月の2度、開示すべきだと答申。これを受け経営委は今月6日、「会長を注意したという特異な事案であったことを踏まえて検討した結果」として、議事録に相当する文書の開示を決定した。
NHK経営委、前会長が一部委員と激しい応酬…かんぽ報道巡る議事を開示 - 読売新聞
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