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Thursday, June 24, 2021

フィリピンのアキノ前大統領が死去 民主化進めた静かな「息子」 - BBCニュース

Former Philippine president Benigno Aquino delivers a speech ahead of the commemoration of the 33rd anniversary of the "People Power" revolution in Manila on 23 February 2019.

画像提供, Getty Images

フィリピンのベニグノ・アキノ3世前大統領が24日、死去した。61歳だった。

国民の崇敬を集めるアキノ一家の子孫で、愛称は「ノイノイ」。

2010~2016年の大統領在任中、南シナ海の領有権問題をめぐり、中国を国際法廷に提訴したことで知られる。フィリピンは海域の一部について、西フィリピン海だと主張している。

退任後は公の場にほとんど姿を見せず、静かな生活を送っていた。

死因は明らかにされていない。今週になって病院に入院していた。

父親は暗殺

父親はベニグノ・アキノ・ジュニア元上院議員、母親はコラソン・アキノ元大統領(ともに故人)。多くの国民から尊敬されたこの夫妻の唯一の息子だった。

「ノイノイ」は、父親の愛称「ニノイ」からつけられた。

父親はフェルディナンド・マルコス政権時代、アメリカに追放されていた。母国に民主主義をもたらそうと1983年に帰国したが、マニラの空港に降り立ってすぐ暗殺された。

これをきっかけに、民主化運動が盛り上がった。マルコス大統領は1986年2月に解散総選挙に打って出た。

母親のコラソン・「コリー」・アキノ氏が父親の後継者となり、父親がやり残した仕事を成し遂げると訴えた。

Former Philippine president Corazon Aquino (L), talks with her son Senator Noynoy during a memorial service at Manila Memorial Park in suburban Manila, 21 August 2007, marking the 24th anniversary of assasination of former opposition leader senator Benigno Aquino .

画像提供, AFP

国民の間で「ピープル・パワー」革命と呼ばれた民主化運動が起こり、母親は大統領になった。クーデター未遂が数度発生し、マラカナン宮殿で1987年にあった銃撃戦では、「ノイノイ」氏も死の危機に直面した。

そのとき浴びた銃弾5発は生涯、彼の首の中に残ったままだった。

政治家としての歩み

4人の姉妹とともに成長し、名門アテネオ・デ・マニラ大学で経済学の学位を取得。その後、米ボストンで追放生活を送っていた家族に合流した。

フィリピンには1983年に帰国。さまざまな企業で働いた後、1988年に下院議員に初当選した。2007年には上院議員になった。

2010年の大統領選で圧勝して政権を握ると、汚職や貧困、老朽インフラの問題に取り組んだ。

ただ、フィリピンが抱える問題をすぐに解決するには「スーパーマンとアインシュタインが合体した」大統領が必要だと述べるなど、国民の期待をかわすような言動もあった。

Senator Benigno Aquino (R), known as "Noynoy", the son of the late Philippine democracy icon Corazon Aquino, is greeted by residents in the poor district of Baseco in Manila on 12 September 2009.

画像提供, Getty Images

大統領として最初の危機は、マニラ中心部で元警官が、香港からの観光客で満員のバスを乗っ取った事件だった。

世界にテレビ中継される中、人質となった乗客8人が殺害され、犯人は警察に射殺された。アキノ政権は、この事件の対応をめぐって厳しく批判された。

経済改革を推し進め、汚職を根絶しようと取り組んだ点では評価された。一方で、貧困対策は不十分だったとの批判もある。

2012年12月には、国民の意見が長年分かれていた「リプロダクティブ・ヘルス法案」を成立させた。避妊具や産児制限、性教育、母体健康管理などのサービスを提供する内容だった。

カトリック教徒が多いフィリピンでは激しい反対が起こった。だが専門家からは、女性を支援し、人口を管理したと評価された。

2013年には、南シナ海の領有権をめぐって、中国をオランダ・ハーグの仲裁裁判所に提訴した。

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