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Thursday, June 24, 2021

都議選の投票前に知っておきたい7つの数字。都の予算15.2兆円、何に使われる? - Business Insider Japan

東京都議選(定数127)が6月25日に告示され、7月4日の投開票に向けて127議席を争う9日間の選挙戦がはじまった。

東京都議選(定数127)が6月25日に告示され、7月4日の投開票に向けて127議席を争う9日間の選挙戦がはじまった。

撮影:吉川慧(左)、三ツ村崇志(右下)、shutterstock(右上)

東京都議選(定数127)が6月25日に告示され、7月4日の投開票に向けて127議席を争う9日間の選挙戦がはじまる。

現在、都議会の最大勢力は小池百合子知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」(都ファ)。前回は公明党との選挙協力もあり、過半数を獲得した。ところが、今回は自民党と公明党の協力関係が復活。小池知事が過労で入院し、選挙戦への影響も懸念される中、知事与党である都ファが過半数を維持するか注目される。

さらに新型コロナ禍への対策はもちろん「定員50%・1万人以下」の観客で開催されることになった東京五輪・パラリンピックへの各党の姿勢も注目だ。

政治とは、市民から集めた税金の使い道を決めることが大きな役割の一つだ。一般会計と特別会計を合わせた都の全体予算は約15.2兆円、経済規模(GDP)は約107兆円。どちらも一国に匹敵する莫大なものだ。

自分が支払った税金がどのように使われてきたのか、そして、今後どう使われるのか。それを有権者が見極めるのも選挙の意義だ。

新型コロナ対策や、コロナ禍での東京五輪・パラリンピックの費用で、都の財政の逼迫している。加えて首都での戦いは国政への影響も大きい。各党とも年内に実施される「衆院選の前哨戦」と位置づけ、国政選挙並みの体制。有権者が投じる一票の重みは、否応なしに増す。

2021年度の予算案概要などをもとに、都議選前に東京都の“お財布事情”にまつわる7つの数字をおさえておこう。


1:都の全体予算は約15.2兆円

東京都の予算規模は一国の予算に匹敵する。

東京都の予算規模は一国の予算に匹敵する。

出典:東京都

東京都の2021年度の全体予算(全28会計)は15兆1579億円。都はノルウェー(18.5兆円、2019年)やスウェーデン(14.6兆円)などの国家予算並みの規模としている。

このうち「一般会計」が7兆4250億円、都営住宅の管理など特定の目的に使う「特別会計」が5兆8317億円。上下水道、電車、バスなど独立採算制の「公営企業会計」が1兆9012億円になる。

なお2020年度の全体予算(全28会計)は15兆4522億円。「一般会計」が7兆3540億円、「特別会計」が6兆134億円、「公営企業会計」が2兆848億円だった。

2:一般歳出は5兆6122億円

上が都の財政規模(一般会計7兆4250億円)の内訳、下が一般歳出(5兆6122億円)の内訳

上が都の財政規模(一般会計7兆4250億円)の内訳、下が一般歳出(5兆6122億円)の内訳

東京都

予算のうちメインの使いみちが「一般歳出」の5兆6122億円だ。都税などを原資に、福祉や教育、防犯・防災対策など行政サービスに広く使われる。

このうち人件費や庁舎管理費など行政サービスを維持するための「経常経費」は4兆6719億円(前年度+4.2%)。新規事業は過去最高の430件にのぼる。

一方、道路の整備費や学校の建設費、豪⾬対策や震災対策などにも用いられる「投資的経費」は、幹線道路の整備に伴う⽤地取得費が減ったことで1兆493億円から9403億円(前年度⽐−10.4%)となった。

<2021年度予算の「7つの柱」と主な新規・拡充事業>

1.「人」が輝く、誰もがいきいきと活躍できる都市(7292億円)

2.世界⼀安全・安⼼、便利で快適な都市(7251億円)

3.⽇本の発展を牽引し、将来にわたって世界をリードする東京(4178億円)

4.美しく、魅⼒溢れる都市(1156億円)

5.「スマート東京」の実現(224億円)

6.東京2020⼤会の開催とレガシーの創出(4028億円)

7.多摩・島しょの振興(2629億円)

<目的別で歳出内訳を見ると…>

一般歳出の目的別内訳と増減額・増減率

一般歳出の目的別内訳と増減額・増減率

東京都

  • 福祉と保健(1兆2975億円)

「東京都出産応援事業〜コロナに負けない︕〜」の開始、保育従事職員の宿舎借り上げ⽀援事業の拡充などで1.4%増。

  • 教育と⽂化(1兆1680億円)

都⽴学校の増改修の減などにより3.4%減。

  • 労働と経済(5333億円)

新型コロナ対応に係る中⼩企業制度融資の増額、多摩産業交流センター施設の整備などで20.8%増。

  • 生活環境(1993億円)

ZEV導⼊促進事業などが増となる⼀⽅、⾃家消費プランの補助上限額の⾒直しなどで17.2%の減。

  • 都市の整備(8286億円)

幹線道路の整備に伴う⽤地取得費の減額などで4.6%減。

  • 警察と消防(9032億円)

⾏政⼿続等のデジタルシフトを推進する⼀⽅、警察・消防施設の整備費減などで2.0%減。

  • 企画・総務(6824億円)

⼤会の延期や感染症対策の実施などによる、東京2020⼤会開催経費の増などで19.3%増。

3:都税収入は5兆450億円

東京都

都の収入にあたる税収(都税)は5兆450億円。前年度に⽐べて3996億円減った(前年比-7.3%)。都税の減収は9年ぶりだ。

都税収⼊は固定資産税・都市計画税が増えたが、新型コロナ禍で企業収益の悪化。都税の柱である法人2税(法人住民税と法人事業税)が減少し、これが影響しているようだ。

都の歳入の約7割は地方税(都税)で、その根幹は企業などからの法人2税だ。景気が悪化すれば収入が下振れする可能性がある。石原都政時代には、リーマン・ショックの影響で1年間に1兆円も税収が減ったことがある。

4:都債、コロナ影響除けば「リーマンショック後と同水準」

東京都

都債の発行額は前年度に⽐べて3792億円増の5876億円となった。新型コロナ対策への充当分(861億円)を除くとリーマンショック後と同⽔準となっている。

加えて、都では合計1000億円程度のESG債(グリーンボンド、ソーシャルボンド)を発行している。

グリーンボンド100億円増額の合計400億円は、河川護岸や調節池の整備や再生可能エネルギーの導入に。ソーシャルボンド約600億円は新型コロナ禍で苦しむ中⼩企業向けの制度融資の預託金や特別⽀援学校の整備に用いる予定だ。

財政が債権にどの程度依存しているかの指標「起債依存度」は7.9%で、前年度に⽐べて5.1ポイント増加。ただ、都は「国(40.9%)や地⽅(12.5%)と⽐べて、引き続き低い⽔準を維持している」と説明している。

5:コロナで激減の「貯金」の財政調整基金、年度末の残高見込みは2837億円

東京都

都は不況や災害に備えて、2019年度末までに貯金にあたる「財政調整基金」として9345億円億円を積み立ててきたが、都はコロナ対策の相次いで補正予算を計上。財政調整基金はその財源に充てられ、2020年5月時点では500億円まで減った。

都は2021年1月下旬の2021年度予算案を公表時点で、年度末の財政調整基金の残高見込みを1859億円としていた。

ところが3度目の緊急事態宣言に伴う協力金などコロナ対策費用で一時は「21億円」の見通しに。2020年度末の残高見込みと比べて「99%減」の数字は都民に衝撃を与えた。

その後、中小企業向け制度融資の預託金の一部が戻るなどの要因で上方修正6月16日に都が発表した「令和2年度一般会計決算(見込み)」によると、2021年度末の財政調整基金残高見込みは2837億円となった。

ただ、今後も新型コロナ対策費用がかさめば財政調整基金が原資になることは確実。都は今後も財源確保が課題となりそうだ。

6:新型コロナ対策費、2019〜2021年度で総額3兆円超に

これまでの新型コロナ対策費の内訳

これまでの新型コロナ対策費の内訳

東京都

都はこれまで幾度となく補正予算などを編成し、総額3兆円を超える新型コロナウイルス感染症対策費を投じてきた。主なものは以下の通り。

・中小企業制度融資等(9634億円)

・時短営業に係る協力金を含む感染拡大防止協力金(9304億円)

・患者受入に向けた空床確保料の補助(2602億円)

・生活福祉資金貸付事業補助(2518億円)

・医療従事者等への慰労金の支給(953億円)

7:東京五輪・パラの都負担額は約1兆4500億円

東京都

開会まで1カ月を切った東京オリンピック・パラリンピックへの費用負担も重くのしかかる。都の予算案によると、東京五輪・パラリンピック大会における都の負担額は約1兆4500億円。

このうち「⼤会経費」として恒久施設の整備や輸送・セキュリティなどで7170億円、既存体育施設の改修やインフラ整備など「⼤会関連経費」が7349億円にのぼる。

大会経費の内訳

大会経費の内訳

東京都

東京オリンピック・パラリンピックの開会まで1カ月を切った中、緊急事態宣言は「まん延防止等重点措置」に切り替わったが、都内の新規感染者数(1週間平均)は6月24日に対前週比で113.8%となり、リバウンドが警戒されている。

ポスト東京五輪、そしてポストコロナを見据えた都民の選択は——。投開票は7月4日。9日間の選挙戦に注目だ。

(文・吉川慧

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