「その一方で、現行憲法も制定から70年余り今経過し、時代にそぐわない部分、そして不足している部分については改正していくべきじゃないかと考えています」(自民党 菅総裁)
憲法記念日の3日、自民党総裁として改憲派の集会にビデオメッセージを寄せた菅総理。コロナ禍が長引く中、災害時の内閣への権限強化などを定めた「緊急事態条項」の新設などを訴えました。
「日本国憲法に緊急事態条項がないことをもって、必要な感染拡大防止策が取れていないという暴論をはく人が、残念ながら少なからずいます。決して憲法の制約があるために、必要な対策が打てていないわけではない」(立憲民主党 枝野幸男代表)
一方、立憲民主党の枝野代表は“コロナ対応の遅れは憲法ではなく、政府の判断の問題だ”と指摘。憲法改正をめぐって国会では、改正の手続きを定めた国民投票法の改正案の審議が3年前の法案提出以降、最大の山場を迎えています。
「そろそろ結論を出していただかなければならない時期に来ているのではないか」(自民党 森山裕国対委員長 先月14日)
与党は、連休明けの6日にも衆議院の憲法審査会で採決に踏み切る構えで、最後の調整が進められています。
熱を帯びる憲法をめぐる議論。こうした中、再び存在感を示し始めた人物がいます。
「安倍晋三前首相でございます。よろしくお願いいたします」
安倍前総理は先月、憲法に関するシンポジウムで、憲法に自衛隊を明記する必要性を訴えました。
「自衛隊の航空機が、戦闘機が、スクランブルをかけて日本の上空を守っているのですが、(自衛隊基地の)横には、自衛隊が憲法違反という立て看板がかけてある。こんな国は世界で日本だけだと思います。違憲論争に終止符を打たなければいけない」(安倍前首相)
自民党で憲法改正について議論する推進本部の最高顧問にも就任しました。
「我々は、胸をわくわくさせながら、私たちの手で新しい条文を、未来の日本のために書いていくべきではないかなと思います」(安倍前首相 2010年)
安倍氏にとって、憲法改正は悲願ともいえるテーマです。総理在任中は行政府の長でありながら、率先して改憲を進めようとする姿勢が野党側の反発を招きました。しかし、一議員となった今は、歯に衣着せぬ発言を繰り返しています。
「(立憲民主党の)枝野さんも、安倍晋三が総理の間は議論しないと。私はもう総理じゃないんですから、議論しろよというそんな思いです」(安倍前首相)
「安倍さんは最近、本当に元気だ。もう怖いものなんてないだろうからな」(自民党中堅議員)
コロナ対応で苦慮する菅総理や参議院・広島再選挙で陣頭指揮を執り敗北した岸田前政調会長の求心力低下が指摘される中、党内には「ポスト菅」候補として安倍氏に期待する声も出ていて、今後どのような発信をしていくのか注目されています。
きょう憲法記念日 存在感増す安倍前首相 - TBS NEWS
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