「敵と味方」を切り分ける安倍政権の矛先は、中立であるべき公務員にも向けられた。政権に批判的な官僚には厳しく接し、体を張って政権を守った官僚は処遇した。それぞれの典型は。
「未完の最長政権」第2部第4回
「この前まで仲間だと思っていたのに裏切られた」
2017年初夏、首相官邸で毎週金曜日に開かれている「次官連絡会議」に出席したある事務次官は、官房副長官の萩生田光一の言葉を覚えている。
萩生田が標的にしたのは、この年1月、文部科学省による違法な「天下り」問題に関与したとして、事務次官を引責辞任した前川喜平だ。前川は、この次官会議の少し前、首相の安倍晋三の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設問題をめぐり、「総理のご意向だと聞いている」と文科省が内閣府から言われたと記録された文書について、「次官在任中に受け取った文書に間違いない」と明言。「最終的に内閣府に押し切られた。行政のあり方として非常に問題がある」と訴えていた。
- プレミアムA「未完の最長政権」 第2部スタート
- 敵と味方を峻別する――それは安倍政権の特徴の一つだった。敵と見なせば、ためらいなく批判を加える一方、身内への甘さがたびたび指摘された。社会に生まれた溝は深まり、いまも修復されずにいる。
萩生田は安倍の最側近。萩生田…
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「この前まで仲間と…」最側近の標的にされた前川喜平氏 - 朝日新聞デジタル
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