自民党総裁選挙は、１回目の投票でいずれの候補者も過半数に届かず、決選投票の結果、岸田前政務調査会長が、河野規制改革担当大臣を抑えて新しい総裁に選出されました。
岸田氏は来月４日に国会で行われる総理大臣指名選挙を経て、第１００代の総理大臣に就任する見通しです。
菅総理大臣の後継を選ぶ自民党総裁選挙は、河野規制改革担当大臣、岸田前政務調査会長、高市前総務大臣、野田幹事長代行の４人が立候補し、国会議員１人１票の「国会議員票」３８２票と、「党員票」３８２票の、あわせて７６４票をめぐって選挙戦を展開してきました。
午後１時から、東京都内のホテルで国会議員の投票と開票が行われ、２８日までに党員・党友が郵便などで投票した「党員票」とあわせて開票結果が発表されました。
有効票７６２票のうち、
岸田氏が国会議員票・１４６票、党員票・１１０票のあわせて２５６票、
河野氏が国会議員票・８６票、党員票・１６９票のあわせて２５５票、
高市氏が国会議員票・１１４票、党員票・７４票のあわせて１８８票、
野田氏が国会議員票・３４票、党員票・２９票のあわせて６３票となりました。
この結果、４人の候補者のいずれも過半数を獲得できず、１位の岸田氏と２位の河野氏の上位２人が、決選投票に進みました。
決選投票は、国会議員１人１票と各都道府県連に１票ずつ割り振られた４７票の、あわせて４２８票で争われました。
その結果、
岸田氏が国会議員票・２４９票、都道府県票・８票のあわせて２５７票、
河野氏が国会議員票・１３１票、都道府県票・３９票のあわせて１７０票で、
岸田氏が河野氏を抑えて、新しい総裁に選出されました。
これを受けて、自民党は、このあと臨時の役員会と総務会を開き、新しい党役員の人事を岸田氏に一任することにしています。
岸田氏は、午後６時をメドに党本部で記者会見し、今後の党運営の方針や、重点的に取り組む政策課題など自らの見解を明らかにすることにしています。
その後、直ちに、幹事長や総務会長など党役員人事の検討に入るものとみられます。
そして、来月４日に召集される臨時国会の冒頭で行われる総理大臣指名選挙を経て、第１００代の総理大臣に就任する見通しです。
自民党の新総裁に岸田氏が選出されたことを受け、東京・銀座では新聞の号外が配られ、行き交う人からは新型コロナ対策を求める声が多く聞かれました。
このうち、２０代の自営業の女性は「目新しい感じはしませんが、堅実というか、安心できる方かなと思います。緊急事態宣言が解除されるたびに感染者数が上がったり下がったりを繰り返し、飲食店の方も大変な思いをされているので、何とかしてほしい」と話していました。
５０代の会社員の男性は「きちんとリーダーシップを発揮してほしい。これまでのコロナ対策は、補助金など、自治体任せの印象があった。しっかりと国としてやってほしい」と話していました。
会社経営の５０代の男性は「候補者の中で一番落ち着いている方だと思います。今までのコロナ対策は人流抑制ばかりで来たように思うが、危機感をあおるだけでなく、経済も動かしてほしい」と話していました。
５０代の派遣社員の女性は「すべての人が安心して暮らせる社会にしてほしい。説明責任を果たし、政策をわかりやすく伝えてもらいたい」と話していました。
自民党の新しい総裁に選ばれた岸田文雄氏に対し、東京・銀座のバーの経営者からは、新型コロナウイルスの感染が拡大する場合でも営業を続けられる政策を求める声が上がっていました。
銀座社交料飲協会の事務所では、幹部２人がテレビで自民党総裁選挙の様子を見守りました。
岸田氏が新しい総裁に選出されると、先週、要望活動で岸田氏に面会したという保志雄一会長は「真摯に要望などにも耳を傾けてくれそうで、大いに期待できる」と話していました。
また、亀島延昌理事長は「最近、感染者数も減り、来月から時短営業ながら営業が再開される見通しとなった。コロナ禍で飲食店は厳しい状況が続いているので、経済的な支援はもちろんだが、今後感染が拡大した場合でも休業を前提とするのではなく、営業を前提にしたコロナ対策などを検討してほしい」と話していました。
東京都の小池知事は都庁で記者団に対し、「誠におめでとうございます。岸田氏の誠実な取り組みについてはよく存じ上げており、期待したい」と述べました。
そのうえで、「東京都として、日本として、今、抱えている課題はたくさんある。目下のコロナ対策は当然だが、これからの経済の立て直しや成長産業をどのように育てていくのかなど課題は山積みで、首都・東京、そして日本がより活性化していくように連携をとりたい。仲間の１人として本当に頑張っていただきたいと期待を込めて申し上げる」と述べました。
自民党総裁選挙で決選投票の結果、岸田前政務調査会長が新しい総裁に選出されたことについて、千葉県の熊谷知事は２９日の記者会見で、「私が要望活動などで話をしたときに、耳を傾けてくれて、非常に慎重で丁寧な方という印象を持っています。いままでも政府には、地方自治体と連携してコロナ対策にあたっていただきました。今後も対策をしっかり継続しながら、岸田新総裁の新たな考え方に基づく対策が上乗せされると思います」と述べました。
自民党総裁選 岸田前政務調査会長を新総裁に選出｜NHK 首都圏のニュース - NHK NEWS WEB
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