
東京五輪のサッカー男子準決勝で、日本は3日午後8時から、埼玉スタジアムでスペインと対戦する。開幕直前の強化試合では1-1で引き分けた両チームの「決着戦」。日本は、9年前の悔しいパターンを繰り返すわけにはいかない。(読売新聞オンライン)
PK戦の末にニュージーランドを退けた7月31日の準々決勝後。日本の主将でオーバーエージ(OA)枠の吉田麻也(32)(サンプドリア)は、2012年ロンドン五輪での日本の戦いに思いをはせた。
「ロンドンの時も、メキシコに勝って、準決勝では負けた。その思いを繰り返したくない」
今大会の準決勝の相手はスペインだ。なぜ、メキシコの話を吉田が持ち出したのかといえば――。
9年前の7月21日。日本のロンドン五輪代表チームは、英国内でメキシコと対戦した。この世代のメキシコは、U―20(20歳以下)W杯など年代別の世界大会で好成績を残してきたチームで、日本にとっては手ごわい相手に挑戦した一戦だ。本大会前、最後の強化試合でもあった。試合内容は予想通りで、ずっとボールを支配されたが、終わってみれば「日本2―1メキシコ」というスコアだった。開始1分の速攻で東慶悟が先制点を、87分には途中出場の大津祐樹が勝ち越し点をたたき込んだ。
堅守速攻の戦術でメキシコに一泡吹かせた日本は、本大会でも初戦でスペインを破るなど快進撃。無敗のまま、ウェンブリー競技場での準決勝に名乗りをあげた。ここで再び顔を合わせた相手がメキシコだ。
1968年メキシコ五輪の「銅」以来となるメダルに王手をかけた戦いとあって、日本は開始から勢いよく攻めた。12分には、大津が見事な先制ミドルシュートを決める。しかし、ここから相手の猛反撃にさらされた。31分に喫したコーナーキックからの同点ゴールは、チームの大会初失点でもあった。生命線だった堅守がほころぶと、65分と終了間際にも失点を重ね、決勝進出を阻まれた。
快勝したメキシコは決勝でブラジルを破って金メダル、3位決定戦に回った日本は韓国にも敗れ、銅メダルに届かなかった。24歳を迎える直前だった吉田は、この時の五輪代表にもOA枠で参加し、やはり主将を務めていた。東京五輪でOA枠の酒井宏樹(31)(浦和)も、U―23(23歳以下)の制限年齢内で主力選手の一人だった。苦い経験を、2人は共有している。
東京五輪の日本がスペインと対戦した壮行試合は、7月17日に神戸で行われた。フル代表の主力選手も複数擁するスペインは本大会の優勝候補で、日本にとって非常に手ごわい相手だ。この試合で、日本は相手の猛攻を1失点でしのぎ、堂安律(PSVアイントホーフェン)が久保建英(レアル・マドリード)との連係から美しいゴールを決めた。9年前のメキシコ戦と違って勝利ではなく引き分けだが、日本が大いに自信を深めた一戦には違いない。5日後に初戦を迎えた五輪本大会で、4戦無敗のままベスト4に駒を進めたのも共通する。
準決勝で、2012年と違う結果を勝ち取り、苦い記憶を払拭できれば、その先には五輪サッカーで日本男子がまだ手にしたことがない色のメダルが待っている。だから、吉田はメキシコ戦のことをあえて引き合いに出し、スペインとの再戦に臨む自分とチームに活を入れたのだろう。
吉田主将「繰り返したくない」、スペイン戦で9年前の苦い思いを払拭へ - 読売新聞
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