自民党は近く菅義偉首相の総裁任期満了(9月30日)に伴う総裁選の管理委員会を立ち上げ、準備を本格化させる。昨年9月の総裁選は安倍晋三前首相の予期せぬ降板を受け「簡易型」で実施したが、今回は党員・党友投票による本来の「フルスペック」で行うことを前提に調整を進める。任期満了を10月に控えた衆院選に先行して総裁選を実施するのか否かも注目される。
簡易型に「党員軽視」批判総裁公選規程では、投票日を「任期満了日前10日以内」とし、8月末までに日程を公表すると定めている。今回も同月内に結論を出す流れで、総裁選選管は同月3日に初会合を開き、経験者の野田毅元自治相が委員長に選出される見通しだ。
総裁選は原則、党大会で国会議員票と党員票で争われる。ただ、前回は安倍氏の後任を早期に決める必要があったため、国会議員票と都道府県連の代表者各3人による投票で菅首相が新総裁に選ばれた。
一方、簡易型の総裁選には「党員軽視」との批判がつきまとう。野田聖子幹事長代行は20日の記者会見で「原理原則に基づき、全党員の一票一票の積み重ねで民主的に決めるべきだ」と強調した。こうした意見を踏まえ、党ベテランは「フルスペックの総裁選をやる方向だ」と語る。
無投票再選の道筋衆院選と総裁選の時期も焦点となる。総裁選をめぐっては9月上旬の告示、下旬の投開票という日程が想定されている。しかし、続投に意欲を示す首相が総裁選告示直前などに衆院解散に踏み切れば、総裁選は衆院選後に先送りとなる公算だ。
首相を支える党執行部はこれまで衆院選後の総裁選を想定してきた。衆院選に勝てば首相の功績となり、無投票再選の流れができるとの計算があった。ただ、最近は総裁選先行論が強まっている。有力な対抗馬が見当たらないなど無投票再選の道筋を見いだしつつあるためだ。首相に近い党重鎮は「時期がくれば淡々とやればいい」と語る。
内閣支持率は感染者数次第とはいえ、新型コロナウイルス対策が批判されている菅内閣の支持率が低迷を続ければ、党内から「総裁選で『選挙の顔』を変えるべきだ」との声が強まる可能性がある。党関係者は「感染者が増えると支持率は下がる。8月の支持率が重要だ」と述べており、総裁選日程をめぐる駆け引きはしばらく続きそうだ。(広池慶一)
自民、総裁選へ動き本格化 「衆院選前か、後か」焦点 - 産経ニュース
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