Rechercher dans ce blog

Thursday, July 15, 2021

沈没船博士挑む400年前の船ハラハラの発掘調査 - 東洋経済オンライン

海底に眠る船体を研究する「水中考古学」の世界

水中考古学をご存じでしょうか? アドリア海で行われた調査の様子をお届けします(写真:Kazu23 /PIXTA)

ユネスコの試算によると、世界の海には300万隻の船が沈没しているといいます。海底に眠る船体や積み荷を発掘し、過去の人々の生活をひも解く――それが、水中考古学です。山舩晃太郎氏(37)はアメリカで博士号を取り、専門家として世界の海でフィールドワークを行っています。発掘現場の驚きと発見を描いた山舩氏の初著書『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』の一部を、抜粋・再編集して2回に分けてお届けします。

今回紹介するのは、大小さまざまな島が点在するアドリア海で約400年前に沈没した「グナリッチ沈没船」の水中発掘の調査の様子です。

実はこの船は50年前にすでに一度発掘調査が行われおり、クロアチアの考古学会ではかなり有名な沈没船だそう。当時の調査では、船体の大きさは少なくとも20m×8m程度とされ、シャンデリアやガラス製品など豪華絢爛な装飾品も含め、さまざまな積み荷が引き上げられました。その積み荷の構成から、この船が16世紀または17世紀のベネチア共和国からの積み荷を載せた船である、ということがわかっています。

山舩氏ら調査チームを待ち受けるのはいったい……?

現場に着いても、すぐには発掘できない

ついにこの日が来た! 水中調査当日の朝、軽い朝食を済ませたら、そのままリビングルームでミーティングが始まる。15人近くに膨れ上がったチームメンバーが3つのグループに分けられ、それぞれに作業が振り分けられた。ミーティング後、各グループで確認しながら作業に必要な機材を車に詰め込み、車で5分ほど離れた港に向かう。この時はチームメンバーの数が多かったため、地元のダイビングショップから2階建ての立派なダイビング専用船をチャーターした。

沈没船の地点までは、この船で1時間弱程。私達は船のエンジンが完全に停止したらすぐに潜れるように、船内でダイビング機材と作業に必要な道具を準備する。

ウェットスーツの上に空気タンクを装着したダイビング用のジャケットを着た。海外での水中考古学プロジェクトでは、18ℓの空気タンクを使うことが多い。今回も18ℓの空気タンクを使う。タンクは空の状態でも約22㎏、空気が満タンの状態で約27㎏になり、陸上では動くのがおっくうになるほどだ。しかし、一度水中に飛び込めば重さも感じなくなる。

風も穏やかで、波もない。船長から係留完了の合図が出ると、今回のプロジェクトリーダーであるイレーナ・ロッシ教授と水中考古学の世界的権威であるフィリップ・カストロ教授から作業内容の最終確認が行われ、その後、すぐに最初のグループの6人が水に飛び込んだ。

いよいよ、グナリッチ沈没船の50年ぶりの水中発掘が再開だ!

Adblock test (Why?)


沈没船博士挑む400年前の船ハラハラの発掘調査 - 東洋経済オンライン
Read More

No comments:

Post a Comment

英政府、水際対策で全ての渡航者に渡航前検査の再導入を発表(英国) | ビジネス短信 - ジェトロ(日本貿易振興機構)

英国政府は12月4日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン」の感染拡大を受け、イングランドに渡航する12歳以上の全ての人に、入国前48時間以内のPCR検査または迅速抗原検査の陰性証明の提示を義務付けることを発表した( プレスリリース )。同措置は、12月7日午前4時から適用され...