ソニーが初のアクティブノイズキャンセル対応完全無線イヤホン「WF-1000X」を発売したのが2017年。その2年後の2019年には「WF-1000XM3」を発売し、従来の弱点を克服した完成度の高いモデルに仕上がったように思います。
そして、さらに2年が経過して新たに登場した「WF-1000XM4」。さすがに、これ以上の伸びしろはあまりないのでは?と思っていたらまさかの猛烈な進化で、全方位で改良が施されていることを実感しました。
※ソニー好きである筆者は、「WF-1000XM3」ユーザーであり、他社のノイズキャンセリングヘッドホンを使っていません。「WF-1000XM3」との比較の内容とご理解ください。
まず、実物をみて驚いたのが、イヤホンを収納するバッテリーケースの小ささ。体積にして「WF-1000XM3」より約40%も小型化しています。これだけ小さくなれば、ポケットに入れた際の違和感も間違いなく低減できます。
ケースのフタを開けて左右のイヤホンを収納すると、マグネットのおかげで吸い込まれるようにピタっとハマります。充電の接点が触れておらずうっかり充電できていなかった… なんて悲しい事件もおきません。フル充電にかかる時間は、左右それぞれ約1.5時間です。
充電はノイズキャンセリングがONでも8時間もち、充電ケースで2回フル充電(16時間)すれば、最長24時間バッテリーが持続します。
実際には、後述する「LDAC」や「DSEE Extreme」を利用することでバッテリーの持ちは減りますが、前モデル「WF-1000XM3」比でイヤホンのバッテリー寿命がのびたことで、実働時間は今まで以上に長くなったとも言えます。
しかも、ケースの中に入れて5分充電するだけで60分再生できる急速充電にも対応。チャージ中は使えないというイライラも極力抑えられます。
ケース底面がフラットで机の上に直立するうえ、ワイヤレス充電(Qi)にも対応。もうすぐ発売される「Xperia 1 III」のおすそわけ充電機能は、まさに本機のためにあるようです。
イヤホン自体のサイズ感も先代の「WF-1000XM3」から約10%小型化。重さは7.3gで、「WF-1000XM3」が8.5gから軽くなっています。小型・軽量化にも関わらず、バッテリーの持続時間の伸びているというのは、本機の驚きポイントの1つです。
左右完全独立タイプの最大の利点はmケーブルから解き放たれる自由さ!だと頭でわかっていても、耳の穴だけで保持しても落ちないのかという不安がつきまといます。こればっかりは実際に装着してみないことにはわかりません。
まず、耳に直接触れる「ノイズアイソレーションイヤーピース」は、今までのイヤーピースとはまるで異なる手触りだということに気づきます。
ソニーが独自開発したポリウレタンフォーム素材。
指で押すといとも簡単に潰れ、指を離すとゆっくりと形状が元通りになっていきます。
柔らかい発泡体の低反発な伸縮が耳の形に追従して、装着したときの安定性がよりいっそう増すという具合です。
装着方法は、イヤホン本体を耳の穴の中で回転させながら、おさまりのいい位置に調整します。入りにくいときは、イヤーピースを手で温めたり、軽くつぶして装着すると入れやすくなります。
耳の入り口周辺に接触する面積が圧倒的に増えたこともあってしっかりとフィティング。「WF-1000XM3」でもしっかりとした装着感はあったはずなのに、「WF-1000XM4」をつけてみると雲泥の差です。
まぁ大丈夫だろうというようなあいまいな感覚ではなく、これは落ちないぞという確信がもてるほどです。
初めて左右独立型ヘッドホンを買って、自分自身で装着するとき、きちんと装着出来ているのかイマイチわかりづらい場合もあるはず。
そんなときは、スマホアプリ「Headphones Connect」をの「装着状態テスト」を使うととっても便利です。今装着している「ノイズアイソレーションイヤーピース」のサイズがあっているかを知ることができます。
もしくは、S/M/Lの「すべてのサイズを比較する」こともできます。こちらのテストを行うと、じつは自分がMでピッタリだと思っていたけれど、計測すると右の耳はLのほうがジャストフィットだった!なんて事もわかります。
お約束で、試しにどれくらい外れないか、ブンブンと首を振ってみました。上下左右に大きくふるのはもちろん、ジャンプしたり、前転したりと、思いつくままかなりハードに動きまくりましたが、全くはずれません。本気で吹き飛ばす勢いで頑張ってみたもののまったくはずれる気配なく…頭が痛くなったので断念。
左右独立型だからという理由での装着性の不安ははないに等しく、安心して使えそうです。
オマケに、防滴性能IPX4に対応。わざわざ濡らすことはないにしても、『雨の日に使うのをやめよう』なんて心配は不要です。夏場だと汗をかいてしまいがちですが、そういった事も気にせずにいつでも使えるという点でも、とても気が楽になりました。
※あくまでも防滴レベルです。また、ヘッドセットの音導管、通気孔、マイク穴は非耐水エリアです。
根本的に、装着性やバッテリーの持ちというのは、普段づかいで重要なポイント。その点についてはまず不安なく使えるなというのが「WF-1000XM4」の印象でした。
後編では、音質やノイズキャンセリング性能、その他の使い勝手について試していきます。
レビューの後編はこちら
・後編:ソニー好きが「WF-1000XM4」をレビュー、もうXM3に戻れない(くんこく)
前編:ソニー好きが「WF-1000XM4」をレビュー、前モデルから全方位で進化(くんこく) - Engadget日本版
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