これから登板するというのに、西武のザック・ニール投手（３２）は涙を止めることができなかった。
「心に染みる内容だったし、自分にとっても特別な日になったよ。あんな感じでフィールドで泣いたのは、人生で初めてじゃないかな」
２０日のロッテ戦（メットライフ）に向けた試合前練習。ニール、メヒア、ギャレット、スパンジェンバーグ、ダーモディの５人の外国人選手に向けた激励メッセージ動画が同球場の大型ビジョンに流れた。今季はコロナ禍で５人の助っ人は家族と離れ離れの生活を送っているため、球団が用意した「父の日」のサプライズ企画だった。
辻監督、栗山、源田らが「チームメートであり、そして家族でもある」とメッセージ。さらに、ニールには、今年１月に誕生したばかりの長女を抱えた愛妻が米国テキサス州フォートワースの自宅から「『あなたを愛している、そして寂しい』と言わせて。早く一緒に東京で暮らしたいけど、（１人で頑張っている）あなたをとても誇りに思う」と呼び掛けた。
つい先日には、巨人のジャスティン・スモーク内野手（３４）が「家族と一緒にいたい」として退団を決断して帰国。ニールは「彼の決断をリスペクトしている。私も日々、家族とはテレビ電話を通じて話しているが、娘の成長をテレビ越しにしか見守ることができないのは精神的にタフなことで正直、悲しい」と吐露。その一方で、「でも、私は日本のことが好きなので、この地で継続してプレーしていきたい気持ちが強い」と話していた。
この日に先発したニールは五回まで２安打無失点と好投しながらも、六回に２点を失って無念の降板。「本当に調子が良く、七回、八回まで投げられればと思っていた。今日は父の日だったし、なおさら勝ちたかった」と悔しさを隠せなかった。それでも、球団の粋な計らいによる愛妻からのビデオメッセージに「こんなうれしいビデオを制作して、放映してくれたことに感謝したい」と感謝感激の様子だった。（東山貴実）
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西武・ニール、登板前に号泣「あんな感じでフィールドで泣いたのは人生初めて」 - サンケイスポーツ
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