アフガニスタンで2019年12月4日、人道支援NGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲さん(当時73)が殺害された事件で、アフガン捜査当局が特定した犯行グループが、2カ月近く前から犯行を準備していた疑いのあることがわかった。犯行グループを束ねていたとされる男=今年1月死亡=が打ち明けた話として、男の知人が朝日新聞に証言した。
中村さんは事件の2カ月近く前の19年10月7日、アフガン大統領から名誉市民権を授与され、国民的英雄としてたたえられた。中村さんに注目が集まったことが、犯行のきっかけになった可能性がある。
捜査関係者によると、犯行グループを束ねていたとみられる男は、イスラム武装勢力「パキスタン・タリバーン運動(TTP)」に所属するアミール・ナワズ・メスード構成員。40歳前後のパキスタン人で、事件当時は東部ナンガルハル州の殺害現場に近い東部クナール州に潜伏していた。
アミール構成員の相談相手だった知人が、今年1月中旬から2月中旬にかけて断続的に取材に応じた。
知人によると、事件の2カ月近く前、隣国パキスタンにいる「共犯者」がアフガニスタンに越境してクナール州に入った。「共犯者」は同州を貫くクナール川の流域を観察し、一帯に水路を引く事業を進めていた中村さんを尾行。地元で誘拐を繰り返してきたアミール構成員に接触し、「ナカムラを誘拐しよう」と誘ったという。ところが、「共犯者」は犯行時に中村さんを銃撃し、パキスタンに逃げ帰ったという。
アフガン捜査当局も事件後、アミール構成員の運転手から得た供述などから「共犯者」の存在を把握していた。捜査関係者によると、「共犯者」がアミール構成員を利用した疑いがあるとみて、行方を追っているという。
複数のTTP幹部によると…
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「2カ月前からナカムラを尾行」 誘拐がまさかの殺害に - 朝日新聞デジタル
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