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Saturday, May 29, 2021

米予算教書「大きな政府」路線鮮明に…歳出、コロナ前の3割増660兆円要求 - 読売新聞

 【ワシントン=山内竜介】米国のバイデン大統領は28日、予算編成方針や財政見通しを示す予算教書を議会に提出した。2022会計年度(21年10月~22年9月)の歳出は、インフラ投資や社会保障拡充などの成長戦略を踏まえ、新型コロナウイルス感染拡大前を3割超上回る6兆110億ドル(約660兆円)を要求した。

 バイデン政権発足後初となる予算教書で、政府が経済活動に積極介入する「大きな政府」路線を鮮明にした。バイデン氏は声明で「米経済を強化し、長期的な財政の健全性を向上させる」と強調した。

 歳出は、コロナ対策で膨張した21年度より約17%少ないが、コロナ前の19年度(4兆4500億ドル)に比べて約35%多い。今後も拡大傾向が続き、31年度には8兆2110億ドル(約900兆円)に達するとの見通しを示した。

 財政赤字は22年度に1兆8370億ドルに上り、今後10年間は1兆ドル台で推移すると想定した。債務残高は国内総生産(GDP)比で111・8%に上昇し、23年度以降も第2次世界大戦直後の1946年度(106・1%)を上回る水準が続く。

 バイデン氏は、法人税率や富裕層の所得税最高税率などを引き上げ、成長戦略の費用を賄う方針を示している。経済成長率については、22年に4・3%、23年以降は2%前後と予測した。3%程度が続くと見込んでいたトランプ前政権より慎重な見方を示した。

 米国の予算は、予算教書をたたき台として議会が編成する。バイデン政権は成長戦略の超党派での合意を目指し、野党・共和党と協議を続けている。巨額の支出や増税に対し、共和党や一部の民主党議員が難色を示しており、先行きは不透明になっている。

◆予算教書のポイント

 ▽22年度の歳出は、コロナ前を3割超上回る6兆110億ドル(約660兆円)

 ▽インフラ投資や社会保障拡充などの成長戦略に重点配分

 ▽財政赤字は当面、1兆ドル台で推移。債務残高は戦後最悪水準が続く

 ▽企業や富裕層を対象に増税を実施

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