四月から高齢者向けに新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が始まるのを前に、千代田区は二十日、集団接種の模擬訓練を実際の会場となる区役所一階ホールで実施し、重い副反応が出た場合の対応などを確認した。樋口高顕区長は会場で、最初に配られるワクチンは高齢者施設の入所者向けとする方針も示した。
千代田区医師会、神田医師会、千代田区薬剤師会など接種に携わる医療従事者ら百人が参加。二十人ほどの区職員が持病のある人や視覚障害者、外国人ら多様な住民役となり、課題や対応方法を確かめた。
日ごろ救急などに携わる宮沢健太郎医師、河島譲医師らが、接種後に重い副反応のアナフィラキシー症状が出た場合の対処方法を実演した。会場に用意してあるアドレナリンが入った注射を太ももの側部に垂直に打って症状を和らげる方法を示した。
宮沢医師らは「打つ位置は付け根と膝の中間。刺したまま三秒待つ」「万一アナフィラキシーでなくても打つ量は少量。判断に迷ったら打った方がいい」などと質問に答えた。
高野学美(まなみ)・千代田区医師会長は「(接種前に行う)予診票の記入や医師の問診に時間がかかった。事前に予診票に記入し、接種に迷う方はかかりつけ医に相談してから会場に来ていただくべきでは」と課題を話した。
六十五歳以上の千代田区民は約一万一千人。四月最後の週に第一弾として五百人分のワクチンが配分される予定だ。まず区内にある特別養護老人ホーム、グループホームの入所者計約三百五十人に巡回で接種していくという。 (井上靖史)
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千代田区 高齢者のワクチン接種前に 副反応への対応確認 - 東京新聞
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