自身のメイン事業をもなくそうとする理由
グーグルのこれまでの発展と、今までより一歩先のおもてなし(写真:metamorworks/iStock)
いま私たちは自分がほしいモノや情報を求め、ネットで検索をします。しかし、検索などする前にほしいものが提示されたら、どんなに便利でしょうか。
「検索」自体を不要にする今のグーグル
グーグルがわれわれの生活を変えようとしています。それは自身がこれまでメイン事業としてきた「検索」自体を不要にしてしまうことです。
例えば、毎週金曜日の夕方になると、「レストラン」というキーワードを検索するユーザーがいたとします。そしてその傾向を、グーグルはデータとして持っている。その結果、金曜日の夕方にブラウザを立ち上げると、自動でおすすめのレストランをグーグルが紹介してくれる。
技術的に十分可能なサービスであり、このようなサービスこそ「情報を整理して使えるものにする」という、グーグルのミッションそのものでもあると言えます。
また、グーグルは検索以外にも、数多くの事業を手がけてきました。そしてその多くの事業をM&Aで手に入れてきました。「検索前」の世界に進出できるのも、このような複数の事業のシナジーによるものです。
これまでの買収先は200社以上、投資金額は3兆円以上にもなります。特徴的なのは、成長企業を囲い込むようなかたちで買収してきた点です。
例えば2006年に買収したユーチューブ。当時、グーグルもユーチューブと似たような動画サービスを内製していましたが、ユーチューブの成長スピードがあまりに早かったため、買収したほうが得策だと考えたのでしょう。買収金額は日本円でおよそ2000億円。思惑どおり、その後ユーチューブは爆発的に世界に広がっていきました。
「検索前の世界」に進出するグーグル驚きの思惑 - 東洋経済オンライン
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