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Thursday, October 28, 2021

大阪地検特捜部捜査横領事件で不動産会社前社長無罪 大阪地裁|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp

大阪の学校法人、「明浄学院」の土地取引をめぐり、不動産会社の前社長が大阪地検特捜部に逮捕・起訴された事件の裁判で、大阪地方裁判所は特捜部が立証の柱とした関係者の供述は信用できないなどと判断して前社長に無罪を言い渡しました。

東証1部上場の不動産会社「プレサンスコーポレーション」の社長だった山岸忍さん(58)は、4年前、「明浄学院」の高校の土地を実質的に買い取った際、学院の元理事長や部下らと共謀して、いったん支払った21億円の手付金を還流させて着服したとして、おととし、大阪地検特捜部に逮捕され、業務上横領の罪に問われました。
前社長は一貫して不正への関与を否定し、裁判で無罪を主張しました。
これに対し、検察は「前社長に犯行計画を説明していた」とする部下の供述を立証の柱として懲役3年を求刑していました。
28日の判決で、大阪地方裁判所の坂口裕俊 裁判長は、「部下の供述は変遷しており信用できず、客観的な証拠とも整合しない」と判断しました。
そのうえで、検察官が取り調べで部下に対して「会社の評判をおとしめた大罪人だ」などと発言したことは、必要以上に強く責任を感じさせ真実と異なる供述をさせる可能性があるなどと検察の捜査を批判し、前社長に無罪を言い渡しました。
この事件で明浄学院の元理事長や前社長の部下は有罪判決が確定しています。

【前社長“丁寧な捜査して”】。
無罪判決を受けて、不動産会社「プレサンスコーポレーション」の社長だった山岸忍さん(58)は大阪で会見を開き、「適切な判決で本当にうれしい」と話しました。
そのうえで、検察に対しては「丁寧な捜査をしてほしかったというひと言に尽きる。私の部下などに対する検察の取り調べ内容を知った時は、ただただ驚いた。私は仕事が大好きで、身に覚えのないことで、突然、自分がつくった会社を奪われ、とても悔しかった」と批判しました。
また、山岸さんの弁護団は「検察は控訴を断念すべきだ」としています。
判決で、大阪地方裁判所が、特捜部が立証の柱とした関係者の供述は信用できないなどと判断したことについて、弁護団の秋田真志 弁護士は、大阪地検特捜部が逮捕・起訴し、厚生労働省の局長だった村木厚子さんが無罪になったえん罪事件の捜査と変わっていないことが明らかになったとして、検察を批判しました。
秋田弁護士は「仮説に固執して客観証拠を十分に分析せず、ターゲットを絞って供述を取ろうとする構造が、検察内部で変わっていない」と指摘しています。
そのうえで、「関係者の取り調べの録音・録画によって検察官の問題のある取り調べが浮き彫りとなり、無罪判決につながった」と評価しました。

【地検次席検事“適切に対応”】。
無罪判決を受けて、大阪地方検察庁の八澤健三郎 次席検事は、「判決内容を精査し、上級庁と協議のうえ、適切に対応する」とコメントしています。

【立証の柱の供述は信用性否定】。
特捜部が山岸前社長と部下らとの共謀があったと立証するため、柱としたのは、前社長の部下が「前社長に犯行計画を説明していた」と述べた供述でした。
部下は有罪判決が確定しています。
検察は裁判で「供述は、説明の際に示された資料や図と合致していて、信用できる」と主張しました。
しかし、裁判所は、28日の判決で「部下の供述は、核心部分について見過ごせない変遷が認められ、前社長への説明用の資料は犯行計画とは異なっており、客観的な証拠とも整合しない」と指摘しました。
裁判では、検察官が部下を取り調べた録音が再生され、検察官が「会社の評判をおとしめた大罪人だ。会社が被った損害を背負う覚悟で話をしているのか」などと発言していたことが明らかになりました。
この発言について、判決は「部下に必要以上に強く責任を感じさせ、真実と異なる供述をさせる可能性がある」などと指摘し、検察の捜査を批判しました。
また、特捜部は前社長の事件への関与を認めたとする別の不動産管理会社の当時の社長の供述調書も、証拠として採用するよう裁判所に求めました。
この社長は裁判で、「検察官の言うとおりに話さないといけない、記憶と違うことを言わないといけないと思った」と証言したことなどから、裁判所は、供述調書の「信用性に疑問が残る」として採用しない決定をしました。
決定文では、理由について「検察官が取り調べで刑の重さについて説明していて、検察官に迎合した可能性を否定できない」と指摘していました。
検察が立証の中心に据えた、前社長が横領に関わったと捜査段階で認めた関係者2人の供述は、いずれも信用性が否定され、前社長の無罪判決につながりました。

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