写真1 全国医師ユニオンの代表を務める植山直人氏
あらゆる医療資源を投入して、コロナワクチン接種を1日も早く進める必要がある──。全国医師ユニオン(勤務医会員約130人)の代表を務める植山直人氏は2021年月13日、厚生労働省で記者会見を行い、東京オリンピックの開催中止を求める声明を発表した。
「東京五輪の選手・関係者には申し訳ないことだが、医療関係者から中止を求める声をあげることが大事と考えた」。こう話す植山氏は、東京オリンピック・パラリンピック中止を求める理由として、コロナワクチン接種が進んでいない日本の現状を挙げた。「一般国民の新型コロナワクチン接種が完了するのは来春との声もある。コロナの第5波、6波による被害を想定するなら、あらゆる医療資源を投入して、コロナワクチン接種を1日も早く進める必要がある」。
声明では、変異株の脅威を強調。たとえ無観客開催となったとしても、選手やコーチ、大会運営者や報道関係者ら数万人が日本を訪れることから、「全世界からあらゆるコロナ変異株が東京に集まる危険性がある」と指摘。「世界中の人々が新型コロナウイルスと闘っている最中に、新たな変異株を生む危険がある東京五輪を開催することに強く反対する」と訴えた。
また、OECD加盟国の人口10万人当たりの医学部卒業生数が平均13.1人であるのに対し、日本は6.8人と最低クラスにあることを紹介(OECDインディケータ2019年版)。こうした「絶対的な医師不足」が、日本の勤務医の約4割が過労死ライン(病気や死亡に至るリスクが高まる時間外労働時間の目安)を超えて働き、約1割の勤務時間は過労死ラインの2倍に達するという現実を招いたと指摘。「日本の脆弱な医療体制を生んでいるばかりか、ワクチン接種が進まない一因にもなっている」(植山氏)とした。
その上で、「いま医療関係者に要請すべきは、医療体制の確保とワクチン接種への協力であり、スポーツ大会への協力ではない」と強調した。なお、全国医師ユニオンは今回の声明文を、5月13日付で厚生労働省大臣官房に提出し、内閣総理大臣宛で内閣府に郵送している。
東京五輪の前にやるべきことがある - 日経メディカル
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