インドネシア海軍は26日、バリ島北方で沈没した潜水艦の乗組員が艦内で合唱する様子の動画を公開した。歌っていたのはインドネシア語で「またね」を意味する「サンパイ・ジュンパ(Sampai Jumpa)」という曲で、沈没の数週間前に撮影されたものだという。
当局は25日、バリ島沖で沈没したドイツ製の潜水艦「KRIナンガラ-402」について、3つに裂けた状態で海底に沈んでいるのを発見したと発表。53人の乗組員は全員、死亡が確認されたとした。
潜水艦は消息を絶つ直前まで魚雷発射訓練に参加していた。沈没の原因はまだ明らかになっていない。
海軍が公開した動画には、アコースティックギターを弾く乗組員の周りに、同艦のヘリ・オクタフィアン司令官らが集まっているのが映っている。
乗組員らは「私にはまだ、あなたを恋しく思ったり、あなたなしで生きていく準備ができていないけれど、あなたの幸せを祈ります」と歌っている。
インドネシア軍の報道官はAFP通信に対し、退任する司令官の送別の際に撮影されたものだと説明した。
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こうした中、海軍は潜水艦と乗組員の遺体の引き揚げを計画している。
潜水艦は水深800メートル超の海底に沈んでいることから、専門家は回収には特殊な機械が必要だとしている。
「水中の写真やビデオ、現在の状況などを分析し、どの技術を用いるか判断する」と、軍幹部は記者団に述べた。
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、乗組員はインドネシアの「最高の愛国者」だとし、乗組員の子供たちの教育に政府が資金提供すると約束した。
「乗組員たちを1階級昇進させ、兵役と貢献に対して勲章を授ける」とウィドド大統領は述べた。「政府は乗組員の子供たちが学士号を取得するまでの教育を支援する」。
乗組員の遺族らは26日、敬意を表すためバリ島の海岸に集まった。
ある乗組員のおじは、「私たちは彼を政府に預けてきた。今回の作戦で犠牲になったが、公式儀式が終わったら政府が遺体を返してくれることを願っている」と述べた。
KRIナンガラ-402は1970年代に製造されたものだが、2012年に修理が行われた。
潜水艦は、最大潜水深度をはるかに超える海中で沈んだ。艦内には3日分の酸素しかなく、24日までに尽きたとみられる。
沈没した潜水艦の乗組員、事故前に別れの歌を合唱 インドネシア海軍が映像公開 - BBCニュース
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